2021年にもなってAMD K6を動かしてみる

この記事はATJ-TECH Advent Calendar 2021の第13日目です。
adventar.org

さて、今年もこの時期がやってまいりましたね。去年はTCUACのらぴーと君の記事に触発されて、特に何かのACに参加するわけでもなくWindows NT3.15の話をしたようなしてないような。
今年は身内でこういう企画をやる話が出たので、これ以外にも何本か記事をあげたいと思います。

さて、ここから本題。
今回の主役は家の押し入れから出てきためっちゃ古いパソコンくんです。1998年夏モデルらしい。ってことで、やっていきましょう。

スペック

  • Model: FMV DESKPOWER MVII 267
  • OS: Windows 98
  • GPU: ATI Rage 2C
  • RAM: 64MB
  • CPUソケット: Socket 7
    なんでCPUだけソケット表記なのかって?だってこいつ、押入れから引っ張り出したのは良いんですけどCPUがないんだもん。ということで、某所でSocket7対応のCPUを入手。

    はい、ここでタイトル回収です。こちら、AMD K6-2 450AFXとなっております。なんでPentiumじゃないかって?メインPCでRyzenRadeonを使ってるから元々このPCにはK6が積まれていたからです。
    参照: FMV-DESKPOWER - AzbyClub サポート : 富士通

内部を見てみる

早速カバーを開けて、中身を見ていこうと思います。

この時代のPC特有の太いケーブル(ぼくは愛着を込めて「きしめん」って呼んでます)が何より先に目に入ってきますね。
もちろんSATAなんてものは存在せず、ストレージインタフェースはIDEかフロッピーだけという仕様です。
また、拡張カードインタフェースも特徴的。PCI4発(白)、ISA3発(黒)がサポートされています。PCIe一択の今に比べ、バラエティ豊かで面白いですね。
なお、PCIスロットにはモデム(下)とグラフィックカード(上)が、ISAスロットにはサウンドカードが挿さっています。

CPU搭載・起動

では、空っぽのソケットにCPUを載せていきます。しっかりピンの位置を確認して、

こうして、

こう。
今の時代に比べるとCPUクーラが小ぶりで可愛いですね。
最大450MHz、プロセスルール0.3~0.2μmってこともあって発熱は控えめなんですかね?(教えてエロい人)
これで最低限起動に必要なものは揃ったので、フロッピードライブにWindows98の起動ディスクを挿し込んで電源を入れてみた。

富士通のロゴが出てきました。通電は問題なさそう。
しかし、次の瞬間。「Password violated. System halted!」の表示とともにフリーズしてしまいました。

BIOSパスワードの怪

この時点で疑ったのは、バックアップの電池切れかBIOSの破損。とりあえずボタン電池を交換してみましたが、症状が好転することはありませんでした。
とりあえずCMOSクリアしたいなぁってことで、ジャンパかボタンを探していたところ、マザーボードに興味深い表示が。
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S4  | PASSWORD
------------------
ON  | CHECK
OFF | BYPASS

つまりスイッチS4をOFFにすればパスワードチェックを回避して起動できるようになるのでは...?ということでやってみます。
S1-S4はDIPスイッチで、CPUの近くにありました。さっきのファンを取り付けたときの画像の右下あたり、コネクタの近くにあります。

再挑戦

スイッチをいじったので、もう一回電源を投入。これでだめなら諦めます。
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はい、無事BIOSまでブートできました。結構嬉しかったです。あとはここから例によってDOSブート、パテ割り、フォーマットを済ませてOSのインストールへ。
電源周りが壊れて使えなくなったHDDレコーダから摘出したIDE接続のHDDが無事動いてくれたことに多少感謝しつつ、作業を進めていきます。 f:id:KLag:20211205180710j:plain ブレッブレですが、親の顔より見たあの画面。
f:id:KLag:20211205181419j:plain 大体一時間弱で終わりました。やったね。
どうでもいいけどAMDってこの時代からCPUINFOの文字列が“AuthenticAMD”なんですね。たしかRyzenも同じように出てたような気がする。

CPU-Zで確認してみる

これだけだと「動かした」感が出ないので、みんな大好きCPU-Zで詳細を確認してみましょう。 もちろん通常版のCPU-Zがこんな化石OSで動くわけがないので、こちら↓を使っていきます。
CPU-Z Vintage Edition | News | CPUID
なんとこちら、Windows 95/98で動作する 2019年に発表された アプリケーションです。ダウンロードしてみると、解凍前サイズで1.30MBでした。ちょうど2HDフロッピーに収まりきるサイズで感動しています。
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動かしてみるとこんな感じでした。参考程度にメインPCのCPU-Zスクリーンショットを貼り付けて、この記事を終わりにしたいと思います。
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まとめ

案外適当に放置されてたPCでもしっかり動いてくれるんですね。電源回りもそこまで酷使されてはなさそうなので、まだまだ遊ぶ程度の用途には耐えてくれると思います。
ただ、今はキーボードしかつながっていない状態なので、とりあえずはPS/2マウスを手に入れたいと思います。